専大松戸が延長11回、サヨナラスクイズで初の決勝進出を決めた。

2-2の同点で迎えた10回裏、1死一、三塁。持丸修一監督(73)は「打たせたかったけど、先発の岡本がもう限界だったので」とここまで1人でマウンドを守る岡本陸投手(3年)の状態を見て、勝負に出た。迎えた5番の山口颯大内野手(3年)へのサインはセーフティーバント。山口は1ボールから2球目。インハイの真っすぐをたたき、サヨナラスクイズを決めた。山口は「岡本が一生懸命投げている。ここで絶対に決めてやろうと思っていました」と笑顔を見せた。

チームの期待に応え、岡本が成長のマウンドを見せた。先発し、8安打されながらも「乗り切れる」と自分に言い聞かせ、笑顔を見せた。持ち前の制球力でコースに投げ分けた。力強い真っすぐにフォークで緩急を使い空振りを奪った。2失点で完投勝利。持丸監督も「ニコニコ投げている岡本を初めて見ましたよ。粘り強く投げられましたね」と褒めた。

自信が後押しした。準々決勝の浦和学院戦で先発し5回0/3を投げ7安打3失点。エース・深沢鳳介投手(3年)につなぎ勝利した。「相手打線の振りが鋭くても、低めに投げて最少失点に抑えれば勝利につなげられる」。気持ちの余裕が、マウンドでの笑顔に変わった。「今大会で精神的に強くなったと思います」と、岡本は胸を張った。

今夏は、深沢と2枚看板へ。岡本の成長が、専大松戸の夏へつながる。