大阪桐蔭が2試合連続のサヨナラ勝利で3年ぶり6回目の優勝を果たした。2-2の延長10回に藤原夏暉内野手(3年)がサヨナラ2ラン。昨秋の近畿大会決勝、3月のセンバツ初戦で連敗していた智弁学園(奈良)に競り勝った。

智弁学園はプロ注目の前川右京外野手(3年)が3安打と活躍したが、春の頂点に届かなかった。

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大阪桐蔭ナインの意地が優勝の原動力になった。同点の延長10回1死一塁。藤原は智弁学園先発小畠一心投手(3年)の内角速球を打ち砕いた。琵琶湖のほとりで、右翼芝生席に着弾した。サヨナラ2ランは夏の日本一への号砲だ。

両打ちの藤原にとって左打席で初本塁打。「ホッとしました。チームのはずみになるキッカケだと思う」。29日の準決勝・智弁和歌山戦から2戦連続サヨナラ勝ち。春の近畿Vで屈辱からはい上がった。智弁学園には秋季近畿大会決勝で敗れて、センバツでも返り討ちされた。

「春のセンバツをあんな形で負けて、夏に向けて絶対に近畿大会で優勝する気持ちでやろう」

西谷浩一監督(51)や池田陵真主将(3年)が言い続けた言葉だ。その思いを決勝で体現。全国トップ級の強打を誇るがこの日は堅守で勝機を切り開いた。2回、1点先制され、1死二、三塁で前進守備を敷く。小畠の強烈な打球が二遊間を襲った。だが、二塁繁永晟(あきら)内野手(3年)が間一髪のダイブ好捕。抜ければ2点を奪われた危機を脱した。

繁永は「絶対に止める気持ち」と振り返り「内心、焦りがあった。負けたくない」と続けた。主力だがセンバツ後に腰痛で離脱。近畿大会もスタメンを外れていた。巡ってきたチャンスで燃えた。西谷監督も奮闘ぶりに目を細めた。「今日みたいな相手に勝たないと甲子園では勝てません。2回負けた相手に勝った意義はある。いよいよ、夏が始まった」。強い大阪桐蔭が帰ってきた。【酒井俊作】

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