東洋大姫路が執念の戦いで、秋季近畿大会にコマを進めた。同点の9回2死二塁で、岡部虎尉内野手(2年)が左前打を放ち、本塁送球の中継プレーが乱れ、捕手がはじく間に村崎心捕手(2年)が勝ち越しのホームを踏んだ。この回は村崎も敵失で出塁し、守備のミスを突いた格好だ。

その裏は2死二塁で左前打での本塁突入に左翼を守る賀川新太外野手(2年)が好返球。間一髪で刺して勝利をもぎ取った。藤田明彦監督(64)は22年3月での勇退が決定するなか、ナインの奮闘に「よかった! うれしいです。今日は勝ち運があった。不思議勝ちです」と声をはずませた。

先発の森健人投手(2年)は9回2失点完投勝利。来年3月のセンバツ出場を目指し、10月16日開幕の近畿秋季大会に進出した。森が「(監督が)最後なので絶対に、何としても近畿大会に行こうと思っていました」と話せば、賀川も「絶対に負けられない。藤田明彦監督をセンバツに連れて行く」と気合十分だった。

後任には22年4月から履正社(大阪)の岡田龍生監督(60)の招へいが決まっている。変革の過渡期で、ナインが意地を見せた。春夏通算19度の甲子園出場を誇る名門。11年夏を最後に聖地から遠ざかるが、藤田監督の花道を飾るべく、ナインが意地を見せた。