浦和学院が、後半、一気に畳みかけ、勝利を決めた。

0-0の均衡を破ったのは、9番・大内碧真内野手(3年)の一打だった。6回裏、先頭の大内は「自分が流れを作り、起爆剤になる」と打席に入ると内角高めのチェンジアップをフルスイング。打球はライトスタンドへ吸い込まれ、大内は大きくガッツポーズを作りダイヤモンドを駆け抜けた。公式戦初本塁打に「ビックリしました。なんか新鮮な気持ちで、うれしかったです」と喜びをかみしめた。

縁の下の力持ちが、ヒーローだ。ベンチからは「やっぱ、大内だよな」と声が漏れた。副キャプテンを務め、いつも声でチームメートを鼓舞してきた。9番打者として小技を徹底。自慢の守備でこれまで何度もチームのピンチを救ってきた。昨秋「超攻撃野球」がチームスローガンに掲げられると「長打も打ってチャンスメークする」と、打撃練習に力を入れた。センバツ前は調子が上がらず初戦の大分舞鶴戦ではベンチスタート。悔しさをかみしめ、途中出場のチャンスで守備でアピールした。春は打撃向上を課題に、置きティーで基礎練習を継続。地道な努力はチームメートの誰もが認める。大内だからこそ、打てた1本だった。

森大監督(31)は「9番打者ですがパンチがある。彼の気迫でねじ込んだホームランでしょう」とたたえた。次戦は、強打の明秀学園日立(茨城1位)と対戦する。攻撃力をテーマに掲げるチームにとっては好敵手。大内は「打力で勝負して、打ち勝ちたい」と力強く話した。

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