昨秋九州大会覇者の沖縄尚学が大垣日大を4-3で下し、99年、08年以来3度目のセンバツ制覇へ好スタートを切った。

雨の影響で開始が2時間以上遅れた第3試合。4番仲田侑仁内野手(3年)が、憧れる「巨人岡本打法」で試合を決めた。3回2死満塁。「チャンスじゃないとおもしろくない。気持ちの入り方が違う」と集中して、186センチ、96キロの巨漢が相手エースの初球真っすぐをとらえ、左中間スタンドに豪快にたたき込んだ。

大会1号となる満塁弾は、センバツでは沖縄県勢初。仲田にとっても、人生初のグランドスラムだ。動画で日本代表の巨人岡本和真のフォームを参考にする。テレビでWBCは観戦しているといい、岡本が準々決勝で放った3ランにも刺激を受けた。「4番で勝負強く、チャンスで打つところが好き。いいところを参考にまねしてきました」と声を弾ませた。

0-0で迎えた3回に均衡を破るここぞの1発。出場校中トップとなるチーム打率4割7厘の強力打線をけん引する4番の力は本物だった。投げては今秋ドラフト候補で、最速145キロのエース右腕・東恩納は3失点も、9回まで粘投で踏ん張った。投打の柱の奮闘で、接戦を制した。【菊川光一】

◆満塁本塁打 沖縄尚学・仲田が満塁本塁打。センバツの満塁アーチは昨年の大阪桐蔭・谷口勇人が決勝の近江戦で放って以来、28本目。大会1号が満塁だったのは69年上田芳央(浪商=対日体荏原)73年長崎誠(横浜=対小倉商=サヨナラ)に次いで50年ぶり3度目。沖縄県勢では夏の大会で04年仲里孝太(中部商)が酒田南戦で打っているが、センバツでは初めて。

◆無四死球試合 大垣日大-沖縄尚学戦で記録。94年の小倉東-桑名西戦で記録して以来、29年ぶり12度目

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