【サンディエゴ(米カリフォルニア州)24日(日本時間25日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(31)が鬱憤(うっぷん)を晴らす一撃をかました。パドレス戦に「1番DH」で出場し、第5打席でリーグトップタイとなる45号ダメ押し弾をマーク。ベンチへ戻る直前、バックネット裏の最前列でヤジを飛ばしていた敵地ファンとハイタッチで喜ぶ異例の行動を披露した。先発の山本由伸投手(27)は6回4安打2失点で今季11勝目。チームは再びパ軍と同率首位で並び、優勝マジック31が点灯した。
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大谷の粋な演出が、熱狂的なアンチファンをとりこにした。9回1死、パ軍松井から45号アーチを右中間にたたき込み、パワフルな打撃を披露。ホームへ生還し、ロバーツ監督や同僚が待つベンチへ戻る道中で突然“寄り道”した。三塁側バックネット裏の最前列に陣取り、ヤジを飛ばしていた男性ファンに自ら歩み寄ってハイタッチ。敵視されていたはずが、立ち上がって満面の笑みで祝福される思わぬ展開となった。
ライバルのパ軍と今季最後の直接対決3連戦。初戦から2試合で7打数無安打だった。ロバーツ監督によれば、試合を通じて横やりを入れられていたようで、ヤジは「このシリーズでどれだけショウヘイがダメか」との内容だったという。
この日も大谷は第4打席まで無安打。それでも口答えすることなく、紳士的にバットで“応答”。「見たか」と言わんばかりに雑音をかき消し、さらに得意のからかい攻撃を仕掛けた。ユーモアたっぷりのおちゃめな行動が、負けられない戦いのピリピリした雰囲気を、笑いに変えてしまった。
この日は、粘り強さも際立った。首位攻防の2戦目まで、2ストライクと追い込まれてからチームは32打数1安打で淡々とした攻撃が続き、ド軍の持ち味でもある「レジリエンス(挽回する力)」が影を潜めていた。それが一転、3戦目は9安打のうち6安打が2ストライクから。大谷の本塁打も、2球で追い込まれてから粘り、5球目の高め直球を力強くスイングした。
満員4万3827人で埋まったペトコパーク。時に痛烈なブーイングを浴びせる敵地ファンを仲間に取り込んでしまうのは、大谷ならではでもある。ロバーツ監督は「ショウヘイの人間性が出ていて、楽しかった」と目を細め、2打席連続本塁打を放ったフリーマンも「ファンにちょっとしたお返しが出来たのは良かったよ」と笑った。終盤の本塁打攻勢で完勝。その最後を、大谷が“笑劇アーチ”で締めくくった。
▼大谷が松井裕から45号。日本人大リーガー同士の対決で本塁打は、今年5月25日に大谷がメッツ千賀から打って以来13本目。大谷が本塁打を放った日本人は前田、菊池(3本)、千賀に次いで4人目、6本目。日本でも大谷は松井裕と2打席対戦しているが、本塁打はなかった。



