プロ初安打の記念ボールに苦い記憶が染み込んだ。阪神ドラフト3位江越大賀外野手(22)がDeNA戦の5回、代打で右前にプロ初安打。喜びもつかの間、6回の中堅守備で、判断を誤り痛恨の初エラーを記録した。球団創設80年の甲子園開幕戦でドタバタの悔しいデビュー。チームは3連敗、開幕3連勝の貯金もはき出した。チームも江越も、ここから、はい上がれ!
プロ初安打で甲子園の4万6026人から歓声を浴びたかと思えば、プロ初失策でどよめきが起こった。試合後、江越は喜びを表現するのではなく、悔しい表情を浮かべて反省の言葉を口にした。
「ヒットはいずれ出るものだと思っていたので気にしていなかった。そこより後ろにそらしたエラーが、まだまだということです」
5回の先頭、代打で本拠地・甲子園初出場を果たした。海星(長崎)時代、憧れ続けた甲子園の舞台に立った。カウント1-1からの3球目、DeNAの先発井納の外角低め143キロの直球を捉えた。打球は一、二塁間を抜けた。6打席目での待望の初ヒット。甲子園の電光掲示板に煌々(こうこう)とHランプが輝いた。拍手喝采の中、一塁ベース上の江越は表情を引き締めプレーに集中した。
直後にミスが出た。6回、そのまま守備に入り大和に代わって中堅に就いた。先頭バルディリスが放った正面への打球判断が遅れた。バウンドが合わずに、ボールを後逸。無人の芝生をボールは転がっていった。無死三塁とピンチを招き、6点目へとつながった。初安打のあとは、痛恨のプロ初エラーも記録した。
右翼福留から「やったことはしょうがない。次のことにしっかり集中しろ」と声をかけられた。江越は切り替え、落ち着きを取り戻した。ゲームセットまでセンターに立ち続けた。
出番は能見の代打だった。6回は2番手金田を江越と交代することもできたが、和田監督が選択したのは江越を中堅に回し、大和と金田の交代だった。和田監督は「シンプルにもう1打席立たせたかった。打つ方の内容は悪くない。守備は反省して次につなげてほしい」と説明。守備はまだまだ成長していかないといけない。しかし、豪快なスイングや長打力は魅力的。打撃不調が続く大和を脅かす存在になりつつあるのは間違いない。
天国から地獄…。1試合に、収穫と反省が凝縮されていた。球団創設80周年の記念すべき本拠地開幕。先輩たちが流した汗と涙が染み込んだ聖地でこの夜、経験したこと全てが、プロで歩むための糧になる。【宮崎えり子】



