雨ニモマケズ、試合ニモマケズ-。西武中村剛也内野手(31)が雨天の一戦でドローにつながる先制の16号3ランを放った。初回1死一、三塁。ヘルメットのひさしから水滴が滴るほどの雨でも集中力は切れない。DeNA山口の甘く入った141キロ直球を右中間席最前列に運んだ。今季2本目の右方向への1発に「(雨で)早めに点を取りたいと思っていた。打ったら、たまたまそっちに飛んでいた」と無意識を強調した。
試合前、雨空に選手はやきもきしていた。前夜の中日戦は延長12回の末にドローで、この日は名古屋からの移動試合。万全の状況でないなら中止でもいい、と思うのが選手の心情だ。
だが初回に1発が飛び出し、中村は「そりゃ、成立してほしかったですよ」と笑った。1回途中の中断では一塁側ベンチのDeNA後藤とグラウンドを挟んでジェスチャーでやりとり。「振り遅れたけどパワーで持っていった」とばかりに力こぶ。4回終了時の2度目の中断では雨空に祈りをささげるポーズでおどけた。もっとも「中止で1発が幻になったことは、ないんじゃないですかね。雨の日は、あまり打ってないんで」。歴代の1発を記憶から掘り起こせば、きっちり記録に残るものばかりだ。
55打点に伸ばし、日本ハム中田を抜き、リーグトップに再浮上。本塁打も中田に2差に迫った。3点差を追いつかれたが、降雨コールドの引き分けで空砲にならずに済んだ。開口一番は「それより勝ちたかった」と話していたが「まぁ引き分けで良かったんじゃないですか?」と思い直していた。【広重竜太郎】



