ソフトバンクは松田宣浩内野手(32)の今季2度目のサヨナラ弾で、4時間25分の熱戦を制した。延長11回2死一塁。阪神安藤のスライダーを前寄りのポイントでとらえ手をギュンと伸ばす独特の「前手ギュン」打法で左翼スタンドへ突き刺した。歓喜の16号2ラン。「打った瞬間入ると思った。オレが決めた!」とベンチ裏でナインと喜んだ。

 1回に柳田が左手首付近に死球を受け、3回の守りから途中交代した。8回には今季この試合まで無失点だった五十嵐が20試合目で2点を失った。それでもサファテ、森福、二保とつなぎ追加点を与えず、阪神に流れを渡さなかった。

 今季4度目のサヨナラ勝ちに工藤公康監督(52)は「やってくれましたね。お祭り男ですね。すごいね。頭の中でイメージしているものをのぞいてみたい」と松田の精神力の強さに驚いた。松田は阪神3連戦すべて本塁打を放った。

 交流戦は5カード連続勝ち越し。今日12日からは最後のカード、広島3連戦だ。1戦目はエース黒田。工藤監督は「全力でぶつかっていきたい」。柳田の出場は微妙だが、最高ムードの強力打線が黒田に襲いかかる。【石橋隆雄】