泣くな岩田、中4日フル回転が待っている。先発阪神岩田稔投手(31)は7回1死満塁で犠飛を許して1失点。援護なく、4敗目を喫した。球宴前の踏ん張りどころ。次回登板は中4日で12日巨人戦の予定。力投が報われなかった倉敷での悔いは、東京ドームで晴らしてみせる。

 つきものが取れたような表情だ。チームは痛恨の完封負け。岩田はグッと唇をかみしめながらも、手ごたえを隠さなかった。7回1失点。今季4敗目は充実の内容だった。

 「自分のピッチングはできたんで。ここ最近は自分のピッチングができていなかったけど、今日はきっかけをつかめた。(フォームの)バランスも良かった」

 中日は両打ちの藤井も含め、先発9人のうち8人を右打者で固めてきた。クロス気味に投げ込む内角直球に強さがあった。勝負どころで制球を研ぎ澄まし、変化球も低めに投げ込めた。細かくあらを探すなら、0-0で迎えた最後の1イニングしかないだろう。

 「7回の失点しかない。あれで負けた。あそこが悔やまれる」

 1死から6番藤井の当たり損ねが内野安打となる。暴投で1死二塁とされ、7番堂上には慎重を期した結果、この日唯一の四球を与えた。1死一、二塁。ここで8番桂に初球外角ツーシームを狙われ、右前に転がされた。最後は1死満塁から代打森野に中犠飛を許し、先制点を献上した。

 11歳下の20歳若松に投げ負けた。悔しさは言葉にするまでもないが、光が差し込んだのも事実だ。被安打7はすべて単打。内野安打が3を数え、「痛打」といえる当たりはなかった。セ・パ交流戦明けの登板2試合は4回3失点、6回途中3失点と苦戦続きだっただけに、V字回復の節目に変えたいところだ。

 「次はしっかり投げて、チームが勝てるように頑張ります」

 登板2連勝中だった倉敷で敗れたが、今季4戦で防御率1・55と竜キラーぶりは健在。105球、7回1失点で球数、投球内容に問題なく、次回は今季初となる中4日の間隔で12日巨人戦に向かう。球宴前の大一番に不安なく臨めることが大きい。がむしゃらに白星をもぎ取り、七夕の1敗に必ず意味を持たせてみせる。【佐井陽介】

 ▼阪神は今季77試合目で8度目の完封負けを喫した。6月12日オリックス戦(京セラドーム大阪)で延長10回0-1サヨナラ負けして以来。シャットアウト負けでの先発投手は岩田が3度目、藤浪と能見が2(いずれも敗戦投手)、メッセンジャーが1(敗戦投手は福原)となっている。

 ▼岩田は倉敷で11年7月1日横浜戦、12年8月23日中日戦と先発で連勝していたが、この日の負けで倉敷での通算は2勝2敗となった。