慶大のドラフト候補、横尾俊建内野手(4年=日大三)が11年ぶりにリーグ記録に並ぶ、史上3人目の4試合連続本塁打を放った。1回に「ヨシノブ2世」谷田成吾外野手(4年=慶応)の満塁本塁打で先制すると、2回に横尾、8回は1番山本泰寛内野手(4年=慶応)が2ランを放ち、ドラフト候補トリオがそろい踏み。東大を破り、連勝で勝ち点3として首位に立った。

 4点リードの2回2死走者なし。横尾は、1ストライクからの125キロフォークを左翼席に運んだ。「狙ってました。今日狙わずに、いつ狙うんだという感じです」と豪快に笑った。結成90周年を迎えた6大学で、過去に83年春の明大・広沢克実(元阪神)、04年秋の法大・田中彰(元広島)の2人しか記録していない4試合連続アーチ。プロ入りを懸けるラストシーズンで、歴史に名を刻んだ。

 さらに4回には適時二塁打を放ち、リーグ通算63打点としてOBの巨人高橋由(62打点)を抜いた。「意識してました。何か1つ由伸さんの記録を抜きたかった」と喜んだ。同じ右打者の大先輩で、3冠王を3度獲得した中日落合博満GMの打撃フォームをユーチューブで研究。今季はポイントをボール3つ分投手寄りにする意識を持った。「一番ヘッドスピードが上がったところで打ちたい」と、飛距離アップにつなげた。

 1回には4番谷田が左中間に先制満塁本塁打を放ち、横尾とともに今季5号に伸ばした。今季のチーム本塁打数は17本で、法大が持つリーグ記録20本を射程圏内に捉える。明大・高山俊外野手(4年=日大三)の通算安打記録が話題のシーズンで、ともに甲子園を制した横尾が本塁打で沸かせた。「何位でもいいからプロに行きたい。僕もホームランで記録を目指したい」と言った。【前田祐輔】