新助っ人の阪神ラファエル・ドリス投手(28=タイガース)がキャンプ初日にベールを脱いだ。雨も降り、風も吹く悪天候。前日から気温は5度近くは下がったが、お構いなしでブルペンのマウンドに立った。「ウインターリーグでプレーしていたから問題ない」の言葉通り、熱のこもった30球の強烈デモだ。

 パワーだけの投手ではないところを証明した。微妙に動く直球に、低めにストンと落ちるフォーク、キレのあるスライダーを披露。香田投手コーチも「いいブルペンだった。(フォークは)いい落ち方をしている。結構、落差もあるし、いいところに落ちる。実戦で打者の反応を見たい」と高評価だ。

 他球団の007も目を奪われた。中日佐藤スコアラーは「ドミニカの投手はあまりスプリット系は投げない。しっかり見ていきたい」と警戒。広島玉山スコアラーは「あれだけボールが動くし、やっかい。真っすぐらしい真っすぐは1球もなかった」と微妙な変化の球筋を注意点とした。

 入団会見で自己最速は160キロと豪語した右腕。やる気は十分。満点の初日だった。【桝井聡】