楽天ドラフト1位のオコエ瑠偉外野手(18)が、プロ3戦目で初三振を喫した。ソフトバンク戦の延長10回に代打で出場。空振り三振で2戦連続の最終打者となり、悔しさをかみ殺した。初の1軍シーズンで開幕3連戦の全てに途中出場。この経験を糧に今日28日、29日からのロッテ戦を行う千葉へと乗り込む。

 全てを糧とした。初めて挑むプロ1軍シーズン、本拠地開幕3連戦でのラストプレーは空振り三振だった。延長10回2死走者なし。7点を追う状況でオコエが打席に入る。左腕飯田が投じた初球の内角直球に腰を引き、見逃しでワンストライク。2球目は外角低め142キロのボール球を見極めた。3球目のチェンジアップにバットが空を切り、4球目。外角低め143キロ直球を振りにいき、プロ初の空振り三振で天を仰いだ。

 「準備不足でした。足りなかったのは、延長戦に入ってから『バットを振っておけ』と言われてから準備したところです」。初めて味わう1軍シーズン黒星の直後、クラブハウスへ向かう通路で回顧した。1球で状況が変わる真剣勝負。先を読み、役割を理解した準備が求められる途中出場ならではの難しさだった。

 「1軍で学べることはとても多い。少しでも長くいて、勉強したい」。開幕直前の誓いは、ロッテ戦が待ち受ける千葉で1つの節目を迎える。梨田監督は「千葉には、このまま行く予定ですよ」と次カード初戦への同行を明言。その一方で、30日に先発投手1人を登録するため野手1人と入れ替える予定も付け加えた。

 オコエは「キャンプやオープン戦と違って、第1、第2関門とかいう考えはない」と泰然自若で挑む。初物づくしの3日間が終了。寮に戻るタクシーに乗り込み「ソフトバンク、強かったです」とつぶやいた。この実感こそが成長の糧となる。【松本岳志】