巨人打線が、打者9人の猛攻で阪神藤浪を攻略した。2点を追う6回、1番長野の中前打を口火に、1四球を挟む5連打で一挙4点を奪った。5安打全てが3球目以内。くしくもこの日、2000安打を記録した広島新井の土台を築いた内田順三打撃コーチ(68)が、キャンプ中に唱えた「積極打法」で集中打を放った。藤浪に対し、甲子園では13年9月7日以来となる黒星をつけ、高橋監督就任後初となる甲子園での伝統の一戦を制した。

 狙い通りだった。同点の6回無死満塁、巨人亀井は2球目の152キロ直球を振り抜き、右翼線にはじき返した。先頭の長野の中前打から始まって、1四球を挟み4連打。仲間からのお膳立てに、亀井が5連打目の勝ち越し2点適時二塁打で応えた。「みんながつないでくれた。いい場面で打つことができて良かった」。5回を終え、1安打無失点と鉄板だった藤浪を一気の集中打で沈めた。

 藤浪攻略の極意は、“早仕掛け”だった。6回に放った5安打全てが、3球目以内での決着。長野を除き、ファーストストライクから、積極的にバットを振った。亀井も、坂本も、口をそろえたのは「積極的にいこうと」。この日、2000安打を達成した広島新井の土台を築いた内田打撃コーチは「打っている時はそんなもの」と振り返ったが、沖縄キャンプ中に選手を集め、円陣で唱えた「積極打法」が光った。

 シンプルかつ、端的な指導が内田流。今季から、指導を受けるクルーズも表現の方法に衝撃を受けた1人だった。先日は、食堂でペットボトルの飲み方を聞かれ「『キャップを開けるよ』と答えたら、『ペットボトルを取るのに、脇を締めて右腕をまっすぐ伸ばすだろ? 打撃のインサイドアウトと同じだ』と言われたんだ」と興奮。身近な事象をも打撃に生かす発想力が名伯楽たるゆえんだった。

 チーム全体で狙いも絞った。6回の攻撃前、ベンチ前で円陣が組まれた。荒れ球が特徴の藤浪に対し、やみくもにバットを振らず、直球系を中心にコースを絞る意識を徹底した。高橋監督は「集中して、つないでいい攻撃をした」と評価。藤浪に対し、甲子園では13年9月7日以来の黒星をつけ、就任後初となる甲子園での伝統の一戦を白星で飾った。【久保賢吾】