プロ野球界のOBらが15日、豊田泰光氏の死去を惜しんだ。巨人の長嶋茂雄元監督は1958年の日本シリーズに新人として出場し、西鉄の強さを見せつけられたという。「『野武士軍団』の主軸を担う素晴らしい打者でした。日本シリーズでの大活躍は、強く印象に残っています。ご冥福をお祈りします」とコメントを寄せた。

 豊田氏と同じ35年生まれで、南海の捕手として対戦した野村克也氏は「勝負強さは抜群で、痛いところでよく打たれた」と当時を振り返り「同世代がまた一人逝ってしまった。寂しい限りだ」と語った。

 西鉄でともにプレーした中西太氏は「1年後輩でしたがふてぶてしく、負けん気が強かった。1年目から遊撃のレギュラーとして起用されたことで自信をつけ、球界を代表するショートに育った」と述懐した。

 野球評論家の江本孟紀氏は参院議員時代にプロ野球OBクラブの設立などで後押しを得たと振り返り「個性的で豪快。かつ思いやりがあり、気配りのできる方。隠れたところで野球振興と球界OBの地位向上に尽力された」と感謝した。

 西鉄の後身である西武の居郷肇球団社長は「球団史に残る名選手であり、西鉄からの歴史と伝統を継承すべく大変ご尽力いただきました。本当に残念でなりません」と悼んだ。