張本勲氏が27日、TBS系テレビ「サンデーモーニング」に出演。投手と指名打者(DH)で史上初のベストナインW受賞した日本ハム大谷翔平投手についてコメントした。

 「喜んでますよね、ファンは。人気者だから。ただ、現場は面白くない。やっぱり規定(投球)回数、規定打席に足りてないから。まあ、話題性、人気で選んだんじゃないかな。これは新聞記者が選ぶんですよ」と解説。

 「ですから、特別賞をやればよかったと思うんですよ。ピッチャーは最多勝(ソフトバンク和田で15勝)もいるんですから。彼(大谷)は10勝でしょ。15勝もいれば14勝(ロッテ石川)もいる。14勝の石川は(防御率1位の)2点台だからね。DHも西武のメヒアがいる。36本(実際は35本)ホームランを打っている。ロッテのデスパイネも打率は低いけどホームラン24本。打数が全然違うんですよ。彼らは400、大谷は300(323)くらいですから」と続けた。

 それでも「不満はあるんですけど、やっぱり人気者だからねえ。話題性はすごかったからね。これはこれで認めてあげた方がいいと思いますよ」と最後はW受賞を「認定」していた。

 大谷の今季成績は以下の通り。

 投手=21試合登板、投球回140回、10勝4敗、防御率1・86

 打者=104試合、323打数、打率3割2分2厘、22本塁打、67打点

 ◆2部門トップ 66年パ・リーグで国貞泰汎(やすひろ=南海)が二塁手で72票、三塁手で49票を獲得し、両位置で最高得票となった例がある。この時は規定により票数の多い二塁手で受賞。三塁手は次点のロイ(西鉄=44票)が繰り上げで選ばれた。

 ◆規定不足の指名打者 大谷は規定打席443に61打席足りなかった。指名打者を表彰するようになった75年以降、同部門の規定打席不足は10年福浦和也(ロッテ)に次いで2人目。

 ◆規定不足の投手 大谷は投球140回で規定投球回に3回足りず。規定不足の投手が受賞したのは98年佐々木主浩(横浜)以来2人目、先発投手では初。

 ◆ベストナイン投票規定の変更 昨年までは同一選手を複数のポジションで投票することを禁じてきた。大谷が投打で活躍する中、セ、パ両リーグから選出を委嘱されているプロ野球記者会は、投手と野手との重複投票を認めると決定。従来の規定でも複数ポジションで最多得票なら指名打者に限り重複選出が認められていたが、重複投票がなければ票が割れ、両方で選ばれない可能性もあった。