新型ミットで梅ちゃんバズーカの破壊力もアップだ! 阪神梅野隆太郎捕手(26)が正妻取りを期し、ミットを新調したことが分かった。捕球後素早く送球できるように捕球面を浅いものに変更。さらに藤浪やメッセンジャーの剛速球も受け止められるように、薬指と小指の間に指ひもを1本追加した独自アイテムだ。昨秋のキャンプからテスト試用しており、盗塁阻止率アップへ準備着々。梅野ら多くの阪神ナインは28日、今日29日からの先乗り自主トレのため沖縄に入った。

 一瞬でも速く送球しようと、梅野は考えた。投手を助けるため、チームを勝利に近づけるために。その結論が新型ミットだった。

 梅野 0・01秒の握り替えの速さで、試合展開は変わる。だから、前のミットよりもボールを捕るポケットが浅くなるような型にしました。(捕球時に)次の動作に移りやすいように、握るというよりも当てるという感じです。

 SSK社の担当者と協議を繰り返し、工夫を凝らした。「(ミットの)薬指と小指の隙間に、新しくひもを入れてもらいました。(捕球時にミットが)ボールに負けないようにです」。

 ミットの捕球面を浅くした分、メッセンジャーや藤浪ら150キロ超の直球を受ける時にミットが押し込まれる。だが浅くても速球をしっかり受け止められるように、補強用の指ひもを1本増やした。メーカー担当者によると、捕手のミットで薬指と小指の間に指ひもを入れるのは球界初の試みだという。

 盗塁阻止にこだわりを持っている。「やっぱり、気になります。1点で野球は変わるので。ディフェンス面で(盗塁を)バッテリーとして阻止できたらアウトが1つ増えて、ランナーがいなくなるので」。昨季は66回盗塁を企画されたが、25回刺した。盗塁阻止率は自身最高の3割7分9厘でセ・リーグ2位。だが1位の巨人小林に、1厘及ばなかったことが心残りだ。

 梅野 メッセはクイックが相当速い。晋太郎(藤浪)は「間」で走られる時もあったけど、(昨秋のキャンプで)改善できてきた。盗塁阻止は投手との共同作業だから、呼吸を合わせてやっていきたい。

 捕って0・01秒でも素早く送球できれば、梅ちゃんバズーカはより威力を発揮する。復活を期す藤浪ら投手陣もアシストできる。新型ミットは昨秋の安芸キャンプでテスト試用しており、手応えも上々。正捕手争いは梅野、坂本、岡崎を中心に激戦となる。選手会長に就任した背番号44が、新型ミットを武器に勝ち抜きを目指す。【真柴健】