仙台育英系列の秀光中教校(宮城)軟式野球部が、24日から開幕する全日本少年春季軟式野球大会(静岡・草薙球場ほか)で悲願の初優勝を狙う。中学生版春のセンバツに例えられる同大会には4年連続5度目の出場。全国大会出場は9年連続となり、新記録を継続中だ。

 小杉勇太新監督(23)が初優勝に導く。昨年末まで仙台育英の軟式野球部長だったが、今年の1月1日付で秀光中の監督に就任した。同高では12年夏に控えの主将として背番号15で甲子園に出場。卒業後は日体大で野球を続け、今年度から母校に戻ってきた。着任1年目から常勝秀光中の監督就任となったが、生徒のレベルの高さに驚いている。「子供たちは須江先生に鍛えられて、しっかりしている。自分たちが何をすべきか分かっている」と高評価だ。

 「須江野球」は徹底的に鍛え上げられた走塁に裏打ちされた緻密な野球を展開し、“日本一からの招待”を掲げてやってきた。14年には、楽天にドラフト6位で指名された秀光中OBで仙台育英出身の西巻賢二内野手(18)を擁して全日本中学軟式野球大会で初優勝した。

 小杉監督は“日本一からの招待”は継続しつつも「須江先生のつくり上げた秀光中の野球に自分の色をミックスしていきたい」と熱く語った。「人間が野球をやるんだから、見て見ぬふりをするのが一番いけない。注意するのは優しさ」と持論を展開し、学校生活にも目を光らせている。日本一から招かれるべく、野球以外にも汗を流している。