ソフトバンク工藤公康監督(55)が、攻めの継投で下克上日本一へ白星発進を狙う。クライマックス・シリーズ(CS)第1戦先発には今季途中加入し8戦で6勝1敗の左腕ミランダを選んだ。工藤監督は「よければもちろん長い回を投げてもらうが(リリーフ陣も)早めに準備してもらいます」と想定。DeNAラミレス監督が得意とする矢継ぎ早の“マシンガン継投”も口にした。

2番手は石川と武田が準備する。今季チームトップタイの13勝を挙げた石川は中継ぎでは26試合6勝0敗、防御率1・78。昨年のポストシーズンでも中継ぎで3勝と勝ち運を持っている。石川は「準備は早めになる。チームの雰囲気がよくなるつもりで自分の仕事がしたい」と攻撃のリズムも作り出すつもりだ。

相手の先発は苦手の上沢。今季6戦で4つの白星を献上しているが、直近はホークスが2戦2勝。少ないチャンスで奪った得点を投手陣が守り抜くため、勝利の方程式も前倒しする覚悟だ。セットアッパー加治屋も「7回になったりとかもある。心の準備はできている」と話す。パ最多37セーブの守護神森も「回またぎは増えてくる。変則的になる」と気合をみなぎらせた。

これまでファーストステージ初戦敗退から突破した経験は、まだプレーオフだった06年(●○○)の1度だけ。何が何でも初戦を落とすわけにはいかない。工藤監督はこの日の会見であらためて言った。「我々の最終目標は日本一。選手たちを信じて起用していきたい」。痛快な下克上の幕が開ける。【石橋隆雄】