藤浪晋太郎、予感あった阪神入り/ドラフト回顧録6

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25日に運命のドラフト会議が行われる。悲喜こもごも…数々のドラマを生んできた同会議だが、過去の名場面を「ドラフト回顧録」と題し、当時のドラフト翌日付の紙面から振り返る。

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<2012年10月26日付、日刊スポーツ紙面掲載>

虎のエースになれ! 阪神は25日、都内で開催された「プロ野球ドラフト会議 supported by TOSHIBA」で、大阪桐蔭・藤浪晋太郎投手(18)を4球団競合の抽選で引き当てた。春夏の甲子園、国体の3冠を達成した153キロ右腕に対し、背番号18を用意する。藤浪は大阪・大東市の同校で会見。甲子園での無敗記録継続を目標に掲げ、伝統の巨人戦で投げる姿を思い描いた。

運命に吸い寄せられるように、甲子園の申し子、大阪桐蔭の藤浪の交渉権が阪神に決定した。オリックス、ヤクルト、ロッテとの4球団による抽選。テレビで阪神和田監督が当たりくじを引いて喜ぶのを見ると、こわばったほおを緩め、白い歯をこぼした。

藤浪 地元ということで、熱狂的なファンがいる球団。プレッシャーもあるけど、それを力に変えて頑張りたい。

甲子園では、初めて出場した3年春、そして夏と連続優勝を達成した。春夏合わせて9試合に登板し、無敗を誇る。慣れ親しんだ聖地が本拠地となり、甲子園での無敗宣言も出た。

藤浪 甲子園は個人的にはすごく好きですし、投げやすいと自分では思っているので。いずれ負けるとは思いますけど、できるだけ甲子園で負けないようにしたい。

早期から阪神が1位指名を公言するなど、最低3球団の競合になることがわかっていたが、藤浪にはある予感があった。

藤浪 決まるまでは口にしないようにしてたんですけど、何となく阪神に入りそうな気がしていました。

会見ではこう話したが、藤浪は数日前から、親しい関係者に“予感”を明かしていた。05年リーグ優勝の瞬間を、甲子園の一塁スタンドで観戦していた縁もあった。9月29日巨人戦で、和田監督は打撃コーチとして歓喜の輪の中にいた。「やっぱりそういう縁があるのかなと思います」。くじを引き当てた和田監督も、前日に「甲子園で投げる姿が頭にある。それが来年見られる」と話していた。

宿敵巨人に投げるイメージも膨らませた。幼い頃は巨人ファン。特別な意識はなくなっていたが、阪神入りが決まり、気持ちが切り替わった。「そういう意味では関心も増えると思いますし、その中で力を発揮したい」。今季阪神は宿敵に5勝15敗4分けと大きく負け越し、独走を許した。燃えないわけがない。

球団からは背番号18を用意している。エースになることを宿命づけられた藤浪は、虎の命運を背負い、プロの荒波へとこぎ出す。

 

※記録と表記などは当時のもの

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  • 2012年10月25日付日刊スポーツ
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