広島で「タナキク」が負けるわけにはいかない。1点を追う9回1死二塁。まずは9番田中広が好機を広げた。イェイツから中前へ同点適時打を放つと、動いた。続く秋山の初球で二盗に成功。捕手の送球失策を誘い、一気に三塁を陥れた。「積極的に行こうと。広島ファンの前でいい結果を出したかった」と足でかき回し、舞台を整えた。

あとは2番菊池が冷静に決めるだけだった。秋山の申告敬遠と投手交代で生じた時間で、稲葉監督とセーフティースクイズの可能性を探った。監督からの提案に「2球目ぐらいでどうですか」と返答。「(田中)広輔が打つ前から『これはあるな』と思ってたんで準備できてました」と逆転勝利へのイメージをバットに乗せた。1死一、三塁で2球目を一塁手の前へと転がし、勝ち越した。

菊池は「勝ちにこだわってチーム全員でやっていきたい」と言葉に力を込めた。小技と機動力でもぎ取った勝利。侍でも変わらないコンビプレーが光った。

▼日本の安打数は第1戦から10→17→10→10。日米野球で日本チームが4試合連続2桁安打は初めて。過去最長は00、02年に記録した3試合連続。

▼日本は2試合を残し3勝1敗。負け越しがなくなった。前回の14年は3勝2敗で勝ち越しており(親善試合を除く)、日米野球で2大会続けて負け越さなかったのは初めて。