虎党歴は60年以上になる落語家、月亭八方(70)は「体には黄色い血が流れている」というほど、タイガース愛が強い。阪神入団を夢見て、浪商(当時)野球部に入るも、2年先輩の高田繁らを見て断念。ファンとして情熱を注いできた。暗黒時代も耐え抜いた八方が矢野監督に球界初!? の仰天プランを提案。躍進に不可欠と語る「右の大砲」候補に若手3人を挙げ、期待とエールを込めた。【取材・構成=奥田隼人】
矢野監督とは、ヘルメットやキャッチャーミットなどグッズをもらう仲だ。
八方 一見したら、二枚目で優しそうやけど「必死のパッチ」なんていう言葉も使ったように、ええ根性を持っていると思うよ。
今季は悔しい最下位に終わったが、考え方ひとつで何事も前向きに変換する。
八方 セ・リーグは混沌(こんとん)としてるからね。優勝もあれば最下位もあるということなんですよ。つまり、BクラスというんじゃなくてAクラスになれなかっただけの話。だから、Aクラスの6番目やと思ったらええ。そういうふうに思えば優勝もありえるなと思えるじゃないですか。
85年の球団初の日本一から急降下。苦しかった暗黒時代も、堂々と「阪神ファン」の看板を掲げてきた。「優勝は巨人」という固定観念さえあったという。ただ今の時代、あることが違うと指摘した。
八方 (長らく応援してきて)苦しい時代、暗黒時代の方が多いね。でも、当時と今は重ならへん。今の方が、優勝するんじゃないかという夢があるねん。球団も優勝するために力を入れている気配を感じるからね。
捕手出身の監督には、好印象を抱く。現役時代はグラウンドの要でもあり、その経験を采配へフルに転換できる。ここで八方流びっくりプランをぶち上げた。
八方 キャッチャー経験がある監督は、現役時代から、物の見方が全体を見てると思うねん。そういうのを、今度はベンチで、自分がマスクをかぶってる感じで見てるんちゃうかな。だから自分もキャッチャーのようにマスクをかぶって采配して欲しいね。それでベンチに座ってドンと構えて。
マスクを着けてベンチに座る矢野監督って…。
八方 いやいや、逆にマスクかぶる方が、今までの習慣で周りがよう見えると思うよ。そりゃ、マスク越しに(指示を)言うたら選手もよう聞くと思う。説得力、信ぴょう性がある…笑うてまうかな(笑い)。キャッチャーマスク買うて、プレゼントしたいぐらいやわ。
阪神を思うがあまりの提案だ。来季を思えば「右の大砲」誕生が不可欠と語る。陽川、中谷、大山の若手3人に期待をかける。左打者には厳しい浜風が吹く甲子園で豪快な1発が試合の鍵を握ると熱弁も。
八方 85年の優勝もバース、掛布、岡田がおって、やっぱ、華々しく打ってたんよ。これがピッチャーと相まって優勝やから。それで、甲子園は右バッターをからめなあかん。だから陽川、中谷、大山。右の大砲候補を育成してほしいね。育っていたら結果として優勝はついてくる。単打もいいけれど、やっぱりドーンと花火がないとね。
ホームランは野球の華。猛虎生え抜きの大砲誕生を待ち望む。
八方 「監督としての監督」やなくて「キャッチャーとしての監督」をしてもらいたい。そのためにもな、マスクをかぶって采配を…やね。矢野! ガンバレ!
◆月亭八方(つきてい・はっぽう)本名・寺脇清三。1948年(昭23)2月23日、大阪市生まれ。中学で野球部。主に内野手。浪商(現大体大浪商)に進学したが、最上級生に高田繁がおり、レベルの違いを痛感。プロ入りの夢をあきらめ落語家を目指し、68年12月に月亭可朝(故人)に弟子入り。今年、芸能生活50周年を迎えた。芸人の私生活をおもしろおかしく紹介する「楽屋ニュース」は鉄板のトークネタ。大ネタ「地獄八景亡者戯」など持ちネタは多数。出ばやしは「夫婦万歳」。血液型O。



