虎投への伝道役もお任せだ。阪神西勇輝投手(28)が20日、甲子園球場の室内練習場で自主トレを公開。藤浪、才木と一緒にキャッチボールやダッシュを行い、汗を流した。西が藤浪を練習に誘い、その藤浪が才木も呼んで実現。西は昨年末からの約3週間ハワイで巨人菅野らと合同自主トレを行っており、沢村賞右腕から学んだことも、虎の投手陣に伝えていく。

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柱として期待される男の自覚がうかがえる光景だった。FA移籍で阪神に新加入した西は自主トレを公開したこの日、両隣に197センチ藤浪、189センチ才木の「ツインタワー」を従えていた。西が藤浪を練習に誘って合同トレに発展。さらに藤浪が才木を呼び、西イズムを若虎に伝えるラインが実現した。

西 ハワイで得たことをなるべく後輩には伝えて、共有したい。聞かれたらなんでも答えるスタイルでいきたい。

伝えるべきものがある。昨年末から約3週間、巨人菅野らとハワイで自主トレを行った。4年連続での参加だったが、今回はひと味違った。「8割は例年と一緒で、2割は自分で考えて。今の自分に何が必要かを常に考えながら。毎日寝る前にメニューを組んでから寝ていました」。フィジカルの自己管理を徹底。菅野から「投げ合えたらいいね」と告げられた右腕は、有意義な交流を虎に還元したいと考えている。当然、昨年まで5年間で4度2桁勝利をマークするなど、通算74勝の秘密も虎投に注入されるはずだ。脂の乗った28歳。若手とベテランの橋渡し役も買って出た。

西 (自分も)菅野さんからいろいろ聞いた。(阪神では)ベテランと若手の間に入って、聞かれたことは何でも答えたい。

自身の備えも万全だ。移籍1年目の目標は「1イニングでも長くマウンドに立ち続けたい。テーマは1年間けがしない体作り。(シーズンでは)イニングを稼いで、中継ぎの方の負担を減らしたい」という。

「1年間しっかり戦い続けて、優勝目指して頑張りたい」。Vへのけん引役としての自覚は、行動とともに、言葉にもにじみ出ていた。【真柴健】