西武の山賊打線が、敵地でオリックスのエース山岡攻略に挑んだ。前日3番で無安打だった秋山を1番に戻し、前回対戦で山岡から本塁打を放っている外崎を今季初めて2番に起用。16日まで得点圏打率3割4分3厘を誇る源田を3番に据えた。ここ最近の打順は目まぐるしく変わっているが「4番山川」だけは不動だった。

山川は、12日の母の日に日本人最速ペースで通算100号本塁打を放つなど、直近5試合で21打数9安打の打率4割2分9厘で5本塁打と絶好調。8日の前橋から大宮、札幌、北九州、福岡、大阪と続く遠征にも疲れを見せず、打線をけん引してきた。この日の1回2死一塁の第1打席は見逃し三振に倒れたが、豪快な空振りにスタンドからどよめきが起こるなど、見えないプレッシャーをかけた。

すると同点の5回、主砲のバットがついに火を噴いた。2死一塁で打席に入ると、初球をドームの天井に当てる大ファウル。1発の予感が漂う中、3球目の外角低め116キロチェンジアップを完璧に捉えた。左越えの勝ち越し19号2ランに「多和田の援護になるホームランが打ててよかったです」。麻衣子夫人の誕生日から1日遅れの祝砲は、立ち直りかけた相手エースにダメージを与え、先発多和田を援護する効果的な一撃となった。

打順は細かく変わっても「4番」という大黒柱はどっしりと動かない。山賊打線の頭領が、この日も大きな獲物を仕留めてみせた。【鈴木正章】