波乱含みの黒星だった。ソフトバンクとの首位攻防第1戦は、4回に日本ハムが王柏融外野手(25)の先制中前適時打で1点をリードしたものの、雨天による1時間の中断が明けた5回、守りが乱れて逆転負け。悪コンディションの中、粘り強く投げた先発の上沢直之投手(25)を助けられず、今季初の貯金3を逃した。順位は変わらず2位のままも、首位とのゲーム差は2・5に広がった。

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雨によるグラウンドコンディション不良で1時間に及んだ中断は、日本ハムにとって凶と出た。ぬかるんだグラウンド。外野の芝は、水分をたっぷりと含んでいた。試合再開となった5回の守備。エースが3者連続三振でリスタートしたソフトバンクに対して、日本ハムは立て続けに守備が乱れた。

1死二塁から左前打を処理した近藤が、本塁へ悪送球。カバーした捕手の清水が送球をはじいたのを見て、二塁走者がゆっくりと同点のホームを踏んだ。「抜けちゃいました」とうなだれた近藤は「雨による影響は、なかったかなと思う。捕球態勢が(打球に)刺されて、僕が力んだんです」と猛省だ。

災難は、これで終わらなかった。なお1死二塁から、清水がまさかの捕逸。走者を三塁へ進めてしまい、右犠飛で勝ち越しを許した。それまで、粘り強く先発の上沢をリードしていた若武者は「1年の中でも、(そうは)ないプレー。ああいうところを、しっかりやって行きたい」と、悔しさをにじませた。

そもそも、試合前の練習から、波乱の予感は漂っていた。朝から降り続く雨のため、投手と野手に分かれて球場近くの室内練習場などで体を動かしたが、球場へ戻るバスが試合会場周辺の渋滞に巻き込まれて立ち往生。先発投手やスタメン選手の移動を優先したため、控えの野手を乗せたバスや、ブルペン陣が最も被害を受けた。ベンチ入りの全選手がそろったのは、なんと当初の試合開始予定時刻の10分前。ドタバタで試合に突入した。

逆転負けで、今季初の貯金3を逃した栗山監督は「難しかったけど、それはお互いさま。野球が始まってしまえば関係ないから。言い訳にしちゃいけない」と、きっぱり。19日の首位攻防第2戦へ、気持ちを切り替えた。【中島宙恵】