2軍で奮闘する若虎にスポットを当てる「鳴尾浜便り」です。今回はドラフト2位で入団した小幡竜平内野手(18=延岡学園)です。

将来期待の高卒ルーキー遊撃手として、今季はウエスタン・リーグで83試合に出場。プロの荒波にもまれながら、経験値を積んでいる。1軍練習への特別参加や同世代ライバルの活躍を刺激に、1軍初昇格を目指す姿に迫ります。【取材・構成=奥田隼人】

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期待のルーキーが1軍の舞台を目指して、黙々と汗を流している。小幡はプロ1年目のこれまでを振り返った。「すべてにおいて自分はまだまだ。ピッチャーの真っすぐや変化球のキレというのは、やっぱりすごいなと思いました」。ウエスタン・リーグで83試合に出場し、打率2割1分7厘。282打席に立ち、経験を積んでいる。

シーズン当初はプロレベルの直球、変化球のキレに驚いたが、対応できつつある。「打席の中でしっかりスイングができるようになってきたという実感はしている。タイミングであったり、そういうものが少しずつ取れるようになってきたのかなと思います」。少しずつ成長の歩みを進める日々だ。

刺激も受けた。球宴期間中の7月13日に1軍練習に特別参加した。矢野監督の前でシート打撃や遊撃の守備をこなし、軽快な動きを見せた。「常に楽しみながらメリハリのある感じで(練習を)やっていたので、そこはすごく新鮮でした」。矢野監督からはモチベーションの上げ方についてアドバイスをもらった。「『再来年とかじゃなくて来年、今年には(1軍に)上がるんだという気持ちで取り組め』という言葉をもらいました。直接、言葉をもらえるというのは非常にうれしかったです」。期待のまなざしを向けた指揮官も「実際に見ても、面白いものを十分に持っている」と評価した。

ライバルの存在も力に変える。同じ高卒ルーキー遊撃手に中日根尾、広島小園がいる。小園は1軍でも活躍しており、「やっぱり気になります。ついつい、結果もチェックしたりしちゃいます」と静かに闘志を燃やす。3人がそろったフレッシュ球宴では、打撃論など野球談議で盛り上がった。「できるだけ早く、(1軍に)上がりたいという気持ちは強いです」。1日も早く上のステージへ-、前進あるのみだ。

 

◆小幡竜平(おばた・りゅうへい)2000年(平12)9月21日、大分市生まれ。小3から明野北ソフトボールクラブに入り、投手兼遊撃手。中学から明野ボーイズで遊撃手。延岡学園では1年から遊撃手でベンチ入りし、秋からレギュラー。17年秋の新チームから4番。18年春のセンバツで甲子園初出場(2回戦敗退)。夏は宮崎大会2回戦で敗退。趣味は寝ること。好きな食べ物はラーメン。遠投110メートル、50メートル走6秒1。181センチ、73キロ。右投げ左打ち。家族は両親と兄2人と弟。