広島佐々岡真司監督(52)が22日、都内ホテルで開かれた12球団監督会議に出席した。コリジョンルールやリクエスト、審判の技術向上について意見を交換。昨年も投手コーチとして出席したが、指揮官としては初めて。ライバル11球団の監督らとあいさつし、シーズンの健闘を誓い合った。

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現役時代に戦い、監督として再会した面々と1人1人、握手を交わした。監督会議に出席した佐々岡監督は、いや応なしに新指揮官としての実感が強まった。新人王を争った中日与田監督やエースと4番としてしのぎを削った巨人原監督らと、今度は采配を通じて相まみえることになる。

「昨年は投手コーチとして参加しましたけど、今年はすばらしい先輩方との中にいるんだなと感じました」

現役時代は打倒巨人の意識は強かった。だが、監督となれば別。全球団警戒を強調した。「どこの球団も優勝を目指してやっている。1球団ずつ勝たないと優勝できない」。巨人のスタッフミーティングで広島を意識したコメントがあったと問われると「昨年のチャンピオンチームでもありますし、向こうから言ってもらうのはうれしいことではありますけど、こちらとしてはチャレンジャーとして、巨人を筆頭に他の球団に向かっていきたい」と静かに闘志を燃やした。

先日、北別府氏が成人T細胞白血病(ATL)を患っていることを公表した。現役時代ともに戦った先輩で、コーチと選手としても過ごした。

「早く元気になって話をしたいなと思います。あれだけ野球界で戦った人ですから気持ちも強いでしょう。本当に厳しい方だった。自分にも、人にも厳しい。投手として教えてもらったこともあったし、食事に行っていろいろ話をしたこともあります」

91年の西武との日本シリーズでは第3戦に先発した北別府氏の内角をうまく突く投球を参考にして、第4戦に先発。打ち込まれた第1戦のリベンジを果たした。リーグ優勝や日本一といった結果で勇気づけようとは思わない。「早く回復してもらうことが一番」。闘病生活に希望を持ってもらえるような戦いをすることを誓った。【前原淳】