阪神ドラフト2位の井上広大外野手(18=履正社)が、今季は初打席初本塁打を放ったバットの素材バーチを使うことを決めた。

プロ初実戦の初球を左翼席へアーチをかけた15日の社会人・四国銀行との練習試合(安芸)。2打席目の中前打はメープル素材のバットを使っていた。「1打席目はいい感じで球をつかまえられた。2打席目は弾く感じだった」と初実戦で、したたかにバットの違いを試していた。堅いメープルとしなるホワイトアッシュの中間であるバーチが、現在の打撃力を一番伝えられると判断した。

バーチ素材のバットは現在1本しかないため、15日の試合後に、使用するアシックス社に数本追加注文した。さらにバットのヘッド部分をくりぬくタイプもあわせて注文。「くりぬきタイプは未知の世界ですね」と笑うが、履正社の先輩ロッテ安田モデルを改造したものも試す。

衝撃アーチを放った15日夜には履正社岡田監督から電話を受け「本塁打を打ったことよりも、初球から振れたことが一番よかった」とほめられた。19日の西武との練習試合でも、前回と同じく代打からの指名打者で2打席立つ予定。井上は「次も初球から振れるように準備したい。岡田監督にオフにいい報告ができるように頑張ろうと思う」と、恩師の期待に応えるためにも、さらにバットを振り込むつもりだ。【石橋隆雄】