日本ハム西川遥輝外野手(27)が沖縄・名護キャンプ最終日の25日、主将として臨んだ初めての約1カ月間を総括した。まとめ役として全体的に積極的なコミュニケーションを取れた収穫の一方で、故障者が出たことについては反省も口にした。個人としては充実したキャンプを過ごしたキャプテンは、開幕へ向けてチームをまとめながら、自身の状態を上げていく。

   ◇   ◇   ◇

西川主将にとって、これまでの春季キャンプとは違う、あっという間の25日間だった。「(C)マークが付くだけかなと思っていたんですけど意外と違った。すごく勉強させてもらった。監督には感謝してます」。立場が変わり、心構えも変わった。「今まで自分のことばかり考えていたのが、チームのことを考えないといけない。周りに目を向けるのは多くなったかなと思います」と振り返った。

収穫はポジションの枠を飛び越えて、意思の疎通を図れたことだ。「チーム全体としてどうしていけばいいとか、投手の方に行ったり、外国人の方に行ったりして気にかけるみたいな。コミュニケーションとしては増えたと思います」。

反省は故障者が出たことだ。平沼が18日の韓国サムスン戦で二盗をした際に右足首を痛めて離脱。キャンプ期間中の故障者ゼロを目標としていた西川も、責任の一端を感じていた。

西川 ヌマ(平沼)に関しては、走塁コーチがいない分、僕がもう少し若い選手たちに、こうしておけばいいんじゃないかな、と言っておけばよかったかなと思いました。僕からしたら“べくしてケガした”ような気がするので。それが、たまたまヌマだった。誰しもケガをしていてもおかしくなかった。もっと自分に出来る部分があったので。

チームのまとめ役として、ほろ苦い思いも糧に1年を戦いぬくつもりだ。

個人としては10年目で初めて自己調整を任されたキャンプだった。「自分の体と向き合いながら、しっかりと体を酷使できた」と充実していた。打撃の感覚などは「まだまだ」と話すが、ここからは開幕戦の3月20日西武戦(メットライフドーム)へ向けてコンディションと調子を「帳尻合わせ出来たら」と見据えた。

野球人としての幅を広げた春季キャンプを終え、シーズンでの目標を「思い描けないくらい活躍したい」とあらためて設定した。言葉でも、背中でもチームを引っ張る覚悟が出来た、名護での約1カ月間だった。【木下大輔】