加藤学園出身の西武高橋朋己投手(31)が後輩たちの心中を思いやった。新型コロナウイルス感染拡大防止のためセンバツの中止が決定。

一夜明けた12日、メットライフドームで取材に応じ「僕としても残念ですし、後輩たちはもっと残念だと思っていると思う。悔しさもあるだろうし、もどかしさもある。なんと言っていいか分からない」と神妙な面持ちで話した。

春夏通じて初の甲子園が目に見えない“魔物”によって阻まれた。出場決定時には「これで僕も甲子園出場校OBになれました。すごくうれしい。後輩に感謝です」と喜んでいた。晴れ舞台に向け、同校のカラーとなっている赤のTシャツを全部員分の贈呈。メンバー入りした投手分のグラブも手配する準備を進めていた中での悲報だった。

同校出身唯一のプロ野球選手になるまで、幾多の試練を乗り越えてきた自負もある。「甲子園のチャンスは夏もある。すぐに切り替えてとはならないと思うけど、目標をしっかりともって練習をしてほしい。夏にこの気持ちをぶつけてほしい」と前向きな姿勢も強調した。幻で終わらせてほしくない。夢の続きは夏の聖地にある。【為田聡史】

◆高橋朋己(たかはし・ともみ)1988年(昭63)11月16日、三島市生まれ。加藤学園高-岐阜聖徳学園大-西濃運輸。12年ドラフト4位で西武入り。14年に29セーブ、15年に22セーブを挙げる。16年に左ひじのトミー・ジョン手術を受け、18年には左肩痛で1軍登板から遠ざかる。昨オフに50%減棒で育成再契約。背番号は「43」から「123」に変わった。通算160試合6勝5敗52セーブ40ホールド。174センチ、90キロ。左投げ左打ち。