日本ハム平沼翔太内野手(22)が、遊撃手の開幕スタメン争いに復帰した。17日、2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で行われた日本製鉄かずさマジックとの練習試合に5番二塁でフル出場。2安打をマークし、7回には二盗も決めた。

春季キャンプ中の2月18日に盗塁を試みた際に右足首を故障してリハビリしていたが、4週間で完全復活。開幕延期の追い風も受けて、ここから巻き返しを図る。

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迷いなく、足から滑り込んだ。7回1死一塁。走者の平沼には盗塁のサインが出た。「スタートも普通に切れた」。すぐさまトップスピードに乗り、難なく二塁を陥れた。4週間前の2月18日、キャンプ中の韓国サムスン戦では、同じプレーで二塁ベースに右足首を突いてしまい捻挫。悪夢を払拭した。

一連の動作が洗練されていた。「スライディングは(ベースの)近くでしないといけない。ケガをした時は近くなりすぎたけど、遠くなりすぎないように意識しました」。今回は距離感もバッチリ。「しっかり強いスライディングができた」と、7日の2軍戦で実戦復帰してからは初めての盗塁成功となった。

打撃でも結果を残した。4回は初球を捉えて左前打。二盗を決める前の7回はカウント3-1から右前打を放った。「(1軍同行中、小笠原)ヘッドと打撃の話をして、今日はバットの出方を意識していた。結果が出たのでよかった」。振り出す際のムダな動作を省き、投球に差し込まれないようにフォームを修正した。

19日のJX-ENEOSとの練習試合(鎌ケ谷)も出場予定で、その後は1軍に再合流する見通し。右足首の状態も含めて「もう不安もなくなった」と完全体を取り戻した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、新たな開幕日は未定。平沼にとってはアピールチャンスが到来している。「今日は盗塁も出来た。いいきっかけになれば」。本職のショートで狙う初の開幕スタメンへ向けて、本格的にリスタートを切った。【木下大輔】

◆日本ハムの開幕遊撃手争い 筆頭候補は石井。オープン戦では11試合で先発出場し、失策は2個。打撃は好調を維持して打率3割2分4厘、6打点をマークした。谷内はショートでの先発出場は2試合で失策はゼロ。打撃は14打数7安打で打率5割と、こちらも好調を維持している。平沼は右足首故障から復帰後は14日DeNA戦(札幌ドーム)でスタメン出場も1失策だった。左膝痛の中島は開幕に間に合わない公算が大きい。