6月19日は任せろ! 開幕投手に指名されている中日大野雄大投手(31)が25日、ナゴヤドームでチーム練習再開後初のシート打撃に登板した。大島、ビシエドら打者6人と対戦し1安打、今季最速148キロもマークして「去年と同じ感覚」と明言。昨季ノーヒットノーランを達成し、初タイトルとなる最優秀防御率に輝いた左腕は、コロナ禍にも万全の態勢で開幕をにらんだ。

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左腕エースが抜群の安定感を見せた。再開したシート打撃で、強竜打線の看板選手たちを封じ込めた。6人と対戦して1安打。昨季最多安打の大島は左翼へのフライ(結果はシエラの失策)に打ち取り、18年首位打者ビシエドからは見逃し三振、平田からも空振り三振を奪った。代表取材に答えた言葉には自信がみなぎった。

大野雄 ブルペンではそんな(に調子が良くない)かなと思っていたけれど、マウンドに上がって、投げ始めて「去年のシーズンの感覚だな」と思えた。打者が投手のボールを(これまで)見ていないというのもあるが、良かったと思う。

新型コロナウイルス感染拡大により約2カ月の自主練習期間に突入。久しぶりの実戦形式練習でもブランクを感じさせなかった。

スピードガンに表示された最速は148キロ。キャンプ、オープン戦などを通じて今季最速を本拠地のマウンドでたたき出した。

大野雄 シーズンに入って、気持ちが入ったときに出るスピードだと思う。「去年と同じ感覚だな」と思えたところが、スピードになっていると思う。

自ら直球を武器と公言する。昨季は9月14日の阪神戦で史上81人目のノーヒットノーランを達成し、自身初タイトルの最優秀防御率も獲得した。さらに侍ジャパンの一員としてプレミア12優勝に貢献。それら全てに自らを導いてくれたストレートが、自粛期間のブランクをすっかり忘れさせてくれた。

課題も口にした。大島にはカウント3-1からファウルで粘られた。登板後、その竜の安打製造機から「(打者は)追い込まれるほど嫌なことはない」と言葉をもらい、開幕までの宿題がはっきりした。「走者が出てから。もっとバッテリー有利のカウントをつくりたい」。この先の紅白戦、練習試合で仕上げていく。6月19日の開幕が発表されたことを受け、与田監督は「開幕を大野雄でいこうという気持ちはある。変なこだわりは持っていない」と改めて左腕への変わらぬ信頼を示した。

大野雄 任せてもらった場面で抑えて、長くマウンドに立っていたい。

3年ぶり3度目の大役へ気持ちがグッと高ぶった。