ソフトバンク柳田悠岐外野手(31)が今季初の1試合2本塁打をマークした。まずは「技」で見せた。早々に6点差をつけられていた3回1死一塁。楽天涌井のボールになろうかという低め変化球をすくい上げた。「うまく拾って芯で打つことができました」。曲芸のような一打は右翼スタンドまで伸び、驚きの5号2ランとなった。

次は「力」だ。4点を追う7回先頭で打席に立つと、シャギワの初球155キロを豪快にバックスクリーンへ運び6号ソロ。「自分のいいスイングで打てましたし、甘く来た球を1球で仕留められました」。技術、パワーどちらを取ってもトップクラスという、柳田の魅力が詰まった2本のアーチだった。前日7日に本拠地に戻ってから2戦連発。4回の右前打も合わせ、今季2度目の3安打で打率は3割2分3厘まで上がってきた。

「年々、年々、良くなっている」と過去最高の状態で開幕を迎えた今季、120試合しかなくてもキャリアハイをたたき出すかもしれない。17試合時点で本塁打6本は、シーズン換算で自己最高の36本を上回る約42発ペース。打点14も約98打点のペースで、自己ベストの102に迫る勢いだ。

首位楽天を相手に乱打戦を落とし、6月25日以来の借金完済チャンスは失敗。王手をかけていたペイペイドーム通算1000勝もお預けとなった。9回2死の打席では、柳田は三ゴロに倒れたが一塁まで全力疾走。主砲らしく、最後まであきらめない姿勢を示した。【山本大地】