8回終わって、113球だった。巨人菅野智之投手(30)は「いきたいです」と続投を志願した。9回2死一塁。中日福田を135球目のスライダーで空を切らせ、指揮官の62回目の誕生日を今季2度目の完封で前祝いした。散発3安打、三塁も踏ませず、今季2度目の2ケタ11奪三振。無傷の4連勝で勝ち星、奪三振の投手2冠に浮上した。

心優しきエースは、“家族”との記念日、日々の時間を最も大切にする。その思いを強くしたのは、14年に死去した祖父貢さんとの突然の別れだった。

菅野 今ある時間って、当たり前じゃないんだなと。だから、家族との時間は作るようにしてますし、自分の中で大切にしてる時間です。

毎年、母の日には感謝の言葉とともにカーネーションをプレゼントする。昨年9月の祖母の誕生日には親族が集合し、食事を楽しんだ。

“女房”役の大城とのコンビネーションも高まった。今季初コンビの6月26日のヤクルト戦では6回途中5失点でKO。反省と研究を重ね、3日の中日戦で完封勝利を達成し、14日の広島戦を挟み18年の自己最長の32回に迫る23回連続無失点を記録した。「徐々に形になりつつあるかなと思います」と納得した。

自らの白星から始まった連勝を今季最長の7に更新した。「チームがいい状態なので、その波に乗るだけなので。今日も先制してくれたので、すごく心強かったです」と仲間に感謝。「常に完封目指して頑張ります」と自身の無失点記録継続を誓った。【久保賢吾】