打撃好調の要因は積極性にあった。阪神大山悠輔内野手(25)が7月の月間打率2割9分9厘、8本塁打、20打点で打線をけん引した。昨季は108試合で4番を務めるも、今季開幕当初は助っ人のボーアやマルテにその座を奪われた。

なぜ大山が「定位置」を取り戻すことができたのか。あるカウント状況でのスイング率から好調の要因を探った。

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虎の4番に定着しつつある生え抜き大砲の大山。7月は打率2割9分9厘、8本塁打は巨人岡本と並んでリーグ最多、20打点を挙げた。チームも月間14勝8敗2分けで勝率はリーグトップの6割3分6厘。一時は首位巨人に3・5ゲーム差まで迫った立役者は大山と言え、好調の要因は昨年より高まった積極性にある。

比較するのは昨季1年間と今季7月の大山だ。昨季は585打席に立ち、ボールカウント問わず0ストライクからスイングした回数は332回。スイング率はチームトップの56・8%だった。今年7月を見ると95打席で63回、スイング率はこちらもチームトップの66・3%だ(15打席未満は除く)。割合では9・5ポイント上がっており、初球から振りにいっていることが分かる。

むやみに手を出しているわけではない。昨季は前述と同じように0ストライクからストライクを519球投げられ、そのうち276球をスイング。ストライクゾーン内でのスイング率は53・2%だった。そして今年7月は同じく79球ストライクで52球を振り、スイング率は実に65・8%で、これもチームトップの数字だ。初球ストライクから打ちにいくだけではなく、きちんとゾーン内のボールを見極めて打ちにいっている。

大山自身も好調の要因として「積極的に打ちにいけている」と常々話している。2年連続の開幕4番は譲ったが、アグレッシブな姿勢で「定位置」を奪い取った。【只松憲】

 

※データは共同通信デジタル「プロ野球分析データベース翼」に基づく