ソフトバンクが「山賊打線」相手に一気の集中打で、今季4度目の5連勝を決めた。

1点をリードして迎えた3回、11人攻撃で6得点。38歳の「2番手捕手」高谷裕亮捕手が、2号3ランを含むプロ最多4打点の活躍。黄色一色に染まった今季初の「鷹の祭典」を、快勝で飾った。2年連続でリーグVをさらわれた西武から、今季4連勝となった。

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黄色に染まったペイペイドームで、黄色の戦士たちが輝いた。ソフトバンクが3回、一気の猛攻でレオに快勝。1発を含む5安打と2四球などで今季2度目の1イニング6得点をマークし、勝負を決めた。

主役は38歳の「バイプレーヤー」高谷だ。3回に2点を奪い、なおも2死二、三塁。「常に後ろにつなぐ意識です」と謙遜するベテランが「うまくたたんで打てた」と2号3ランを放った。「自信にもなる結果だった」と胸を張った。今季14試合目のスタメンマスクだが、準備は万全。「股関節回りの筋肉を落とさないように」と、ウエートトレーニングを欠かさない。

高谷は、2回の先制打にも満足していた。この日は松田宣が4試合ぶりにスタメン出場。10日の楽天戦で連続試合出場が815試合で止まった37歳が2回2死から二塁打を放ち、得点機をつくった。そのチャンスを、先制打で実らせた。「(松田宣は)いつも元気を見せて、気持ちは表に出さないタイプ。いろいろ思いはあったでしょうし、何とか、という思いで打ちました」。悔しさを内に秘めるベテラン仲間に応えられたことも、うれしかった。

ペイペイドームは黄色一色だった。今季初の「鷹の祭典」。例年なら超満員のファンで「鷹の祭典ユニホーム」色に染まる。今季は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり実現できなかったが、1万5000枚の黄色いユニホームが空席に飾られ、観客とともに鮮やかな黄色にスタンドを染めた。このユニホーム17万枚が、感謝を込めて福岡県内の医療従事者に贈られている。工藤監督は言った。「いつの日かファンで埋められる日まで頑張りたい。これからファンが増えれば選手も気持ちを強く持てる」。ベテランに引っ張られたナインがそれぞれの思いをバットに乗せた快勝で、宿敵西武に10・5ゲーム差をつけた。【浦田由紀夫】