意地の1発で節目の大台に乗せた。日本ハム中田翔内野手(31)が20日、ソフトバンク戦(札幌ドーム)の11点を追う9回に左翼席に29号2ランを放ち、今季101打点をマークした。シーズン100打点以上は18年以来5度目で、プロ野球史上12人目、球団では初となった。これで15年以来となるシーズン30発に王手をかけた。

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やられっぱなしでは終わらせなかった。中田が最終回に意地の1発を放った。2年ぶり5度目となるシーズン100打点の大台に「ホームランどうこうよりも、やっぱり100打点というのは毎年打ちたい数字でもあるし、そこを目標に毎年やっている。そこに関してはまあひと安心ですけど」と話す一方で、チームが大敗を喫したことを悔しがり「こういうゲーム展開をつくってしまったということに関してまず反省をしなければいけない」と口にした。

完全劣勢の場面でも打席で集中していた。11点差の9回1死一塁で、3番手松本の6球目、129キロの変化球を振り抜いた。「打った瞬間はファウルだったんですけど、最後よく(フェアゾーンへ)戻ってきてくれた」。高々と上がった打球は左翼ポール近くで着弾。打点王を争う楽天浅村に一時並ばれたが、29号2ランで2打点差をつけた。

本拠地での前カード、西武戦から登場曲を「マイヒーロー」に変更。「特に意味はないんだけど、『翔タイム』のところで、ファンのみんなが声をそろえて言ってくれていたなと思い出して」と気分転換も行っていた。過去、シーズン100打点到達が最も早かったのは18年の125試合目だったが、自己最速の104試合目で大台に乗せた。

栗山監督は「翔の場合は自分が打ちまくれば1番勝ちやすくなるんでね、チームは。突っ走って欲しいなと思いますけれども」。本塁打、打点の打撃2部門でトップを争う中田は「今は、別に何も考えてない。まだシーズンが終わったわけではないですし。最後まで、しっかりケガなく戦いたい」と前を見据えた。【山崎純一】

○…中田が球友をねぎらった。親交のあった西武高橋朋がこの日、引退を発表。数日前には高橋朋から電話で今季限りでユニホームを脱ぐことを伝えられていたという。「トモミン(高橋朋)は、精いっぱいやったという言葉を電話の中でも言っていた。本当にお疲れ様でしたという感じです。コロナが落ち着いていたら、またゆっくり飲もうという話をした」と明かした。