日本ハム野村佑希内野手(20)が、パワーアップした姿で1軍復帰する。24日、イースタン・リーグDeNA戦(鎌ケ谷)に「4番三塁」でフル出場し、3打席目に左前打を放った。開幕スタメンを勝ち取り、プロ初本塁打も放った2年目の今季だが、7月に右手小指関節内骨折で手術を受けた。今月上旬に2軍で実戦復帰後は順調に感覚を取り戻し、1軍昇格が近づいている。

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心身ともに一層、たくましさが増した。野村の1軍復帰が近づいている。5回2死一塁、DeNA阪口から左前打を放ち、この日は4打数1安打。「状態は上がったり下がったりですけど、ケガの不安なくやれています」と、手応えを口にした。

高卒2年目で開幕スタメンに抜てきされた。初安打、初打点、初本塁打と順調にステップを踏み、三塁のレギュラー候補として頭角を現していたが、7月7日オリックス戦の守備で右手小指を骨折。翌8日に骨片接合術を受けた。「最初は(リハビリに)身が入らなかった」と、当初は故障に向き合うことで必死だった。

リハビリではレベルアップをテーマに掲げた。「(故障前より)落ちた部分は戻し、ケガする前より弱い部分がないように、トレーナーとやってきた」。小指と親指でダンベルを持ち上げ、握力を徹底強化。一時25キロまで落ちたが「上がって戻ってこられた」と、故障前の60キロほどに回復させた。さらに患部以外はじっくりと鍛える期間にあてられた。荒木2軍監督兼投手コーチは「リハビリをしっかりやっていたので、体も大きくなった」と評価した。

今月3日に社会人チームとの練習試合で実戦復帰すると、2軍戦の復帰初戦(6日、対西武)ではいきなり3打数3安打2打点。守備も難なくこなしながら、感覚を取り戻してきた。目指すのは、今季中の1軍再昇格。「ファンの前で、まだ安打を打てていない。ホームランを見せて、今年を終わりたい」。活躍した開幕当初はまだ無観客試合。今度はファンの熱気を受けてプレーする。【田中彩友美】