ソフトバンクから5位指名を受けた履正社・田上奏大投手(17)が2日、大阪府豊中市内の同校で、永井編成育成本部本部長兼育成部部長らから指名あいさつを受けた。

高校では今夏から本格的に投手を始め、公式戦登板経験はゼロも、最速は151キロ。高校での実戦経験は夏の練習試合で「(合計)10か9」イニングを投げただけ。「ほぼまっすぐだけだった」という投球内容で150キロを連発。隠れた才能で、他選手を目的に視察に来ていたスカウト陣をくぎ付けにした。

大化けの可能性を秘めた超原石の右腕。福山アマスカウトチーフも才能を絶賛する。将来性を問われ「郭泰源さんとか…」と最速158キロの剛速球を武器に『オリエンタル・エクスプレス』の異名を取った右腕を引き合いにするほどの可能性を感じている。

「見たときは衝撃が走りました。高校生トップランク。ベース板の強さが違うので。(ブルペンで)後ろから見た我々の想像を超えるボールだった。リーチが長いし、回転も大きい。スライダーもすごく切れが良い。原石なので我々ならではの獲得です」

早くも育成に腕を鳴らし、じっくり時間をかけて育てる方針だ。

「ファンを魅了する選手になって欲しい。ロマンがある投手です」。育成枠からはい上がって才能を開花させた千賀らのように、新たな「ロマン枠」からのスター誕生に期待を寄せた。

叔父はベストナインを獲得するなどソフトバンクで活躍し、現在は大産大付(大阪)で監督を務める田上秀則氏(40)。ドラフトが終わった10月26日夜には、田上氏から電話で「おめでとう。ここからだから」とエールを送られた。

「自分もベストナインとか、タイトルを取れる選手になりたい。1年目は体作りとか投手の基本をしっかり覚える。1軍で投げる頃には160キロを投げたいです」と宣言。ロマンが詰まった17歳が、常勝軍団に仲間入りする。

◆田上奏大(たのうえ・そうた)2002年(平14)11月26日、大阪市生まれ。敷津浦小2年で「バイキングジュニア」で野球を始め、オリックスバファローズJr.にも所属。住之江中では西成ボーイズに在籍。履正社では1年秋からベンチ入りし、昨夏は背番号15で甲子園優勝。3年春から投手兼任。公式戦登板はなし。球種はカットボール、チェンジアップ、スライダー、ツーシーム。185センチ、87キロ。右投げ左打ち。