阪神矢野燿大監督(52)が、来季は開幕から「近本1番」を基本線に臨む。指揮官の理想として近本2番プランがあるが「俺の思いはあるのだけど、近本自身が生きているのは(打撃スタイルを崩さず)今のままでいけるというのは1番なのかな、と。今、漠然と考えているのはやっぱり近本1番かなと思っている」と語った。

今季は6月19日の開幕戦から2試合続けて、近本を先発2番で起用。だが、その2戦で近本は9打数無安打と苦しみ、チームも得点力を欠いた。シーズンを通して近本の打順別打率も、1番=3割1厘(435打数131安打)、2番=2割2分7厘(22打数5安打)と大きな差が出た。

来季のクリーンアップは3番に新助っ人メル・ロハス・ジュニア外野手(30=韓国・KT)、4番には大山、5番に契約更新したサンズかマルテという並びが有力。頼もしい面々がそろっているだけに、どれだけ近本が思い切りのいい打撃を生かして出塁できるかがカギを握る。もちろん、矢野監督が「試すことはあると思う」と語るように、2番をはじめ他の打順をテストするケースもあるとみられるが、あくまでベースは「近本1番」。2年連続盗塁王に輝いた背番号5に、来季も切り込み役を託すことが濃厚だ。【松井周治】