岩手出身の楽天銀次内野手(33)が東日本大震災から10年を迎えた11日、震災への思いを口にした。

「今日で10年ですか。毎年被災地の方にいっていろいろと見ているんですけども、街もけっこうきれいになってきていると思います。ただ、人の心はそんな簡単には戻らないと思っているので、その中で自分らが何ができるのかを考えながらこれから先やっていかないといけないと思います」と時の流れを捉える。「10年」という節目については「1つの節目というだけで、自分の中ではそんなに。正直に言って自分は常に思って野球をしているし生活している。なので1つの節目、でしかないです。みんながこの10年だけと思わないように、みんなも心のどこかに置きながら前に進んでいってほしいなと思います」と受け止めた。

11年3月11日は兵庫・明石でロッテとのオープン戦に出場。当時在籍していたメンバーで現在も現役でプレーしているのは銀次、田中将、塩見、辛島の4人のみだ。「自分もその場に当日いなかったので、正直起こった時は何も分からなかったんですけど、時間がたつにつれて本当に大変なことが起こったんだなという思いでいました」。

何が起こるか分からない。震災後から自宅の玄関に避難用の防災グッズが入ったバッグを備えている。「すぐに逃げられるように、常に見えるところに置いてあります。今何が起きても本当におかしくない。本当に準備が大事だと思います」。

コロナ禍の影響もあり、自由に被災地訪問や東北各地での主催試合を行うことは難しい状況に置かれている。「シーズン終わってから被災地に行って野球教室、学校訪問とかができるようになったら、しっかりやっていかなければならないと思います。それはチームであっても個人であっても一緒。そういうのは必ずやっていく。そして被災地からプロ野球選手を出す。そしたら盛り上がるだろうし、そういうのをやっていけたらいいなと思います」。被災地へプレーも元気を伝えたい。「自分はいつも通り必死に、活躍して被災地のみんなに『銀次頑張ってるな』『楽天の選手みんな頑張ってるな』と思われるようなプレーを見せていけたらと思います」と力強く意気込んだ。