石巻専大が福島大に6-2、日大工学部が山形大を9-0の7回コールドで下し、両校が8勝2敗で並んだ。石巻専大は門脇瑠太主将(4年=九里学園)を中心に、17年春以来4年ぶりの優勝と、その先にある開幕時に掲げた震災から10年の神宮(全国大学野球選手権)出場、日大工学部は05年春以来16年ぶりの優勝をかけ、15日に優勝決定戦を行う。

震災から10年の節目に石巻専大が優勝に王手をかけた。前日は8回に福島大に勝ち越され無念の敗戦。6-2で迎えた7回無死、福島大・島崎開史(2年)が放った遊撃への強い打球を石巻専大・門脇主将がダイビングキャッチで好捕。逆転を狙う福島大のチャンスの芽を摘んだ。門脇は「前日に福島に負けはしたが、依然首位タイでチャンスであることには変わりなかったので今日、『まず1試合勝つぞ』と集中して臨めました」と振り返り、次戦に向け「震災から10年という節目に優勝を狙える位置にいることは運命のように感じます。地元の方に少しでも勇気を与えられるような結果を出したいです」と、地域への思いを語った。

酒井健志監督(43)は「先制点が大きかった。しっかり気持ちを整えて、全員で準備していく」と優勝へ意気込んだ。15日に対戦する日大工学部とは05年春にも優勝決定戦で相まみえ、優勝を許している因縁の相手。今年は開幕週に2連勝しているが、それにおごることなく、挑戦者として全員で優勝をつかみに行く。