「新火曜日の男」は連敗ストッパー! 阪神青柳晃洋投手(27)が、7回5安打2失点でチームトップの7勝目を挙げた。

「連敗の状況を絶対止めるという気持ちでマウンドに上がりました」。初回先頭の塩見から2番青木、3番山田と3連続三振。2回には村上にソロ本塁打を浴びるも、キレのあるスライダーを武器に自己最多の9奪三振。「そんなにイメージしてなかったですけど、数字にするとやっぱりすごいですね」。2週連続でチームの連敗を止め、さらに6月は4戦4勝。自身初の月間MVPが見えてきた。

今年2月の春季キャンプ。暖かい沖縄のブルペンに青柳の明るい声が響いた。

「インコースのスライダー行きます!」「ストライクのシンカー行きます!」

昨シーズンが終わると、チャートや投球映像を見ながら配球研究に取り組んだ。「偏らないようにやっていきたい。そうするには僕自身の技術を上げないと、結局ストライクが入るボールに偏っちゃう、という部分に行き着きました」。投げられるコースや球種を増やして、自分で配球の幅を広げる。向上心と探究心は、しっかり結果につながった。

この日はバットでも貢献。2回2死一塁で初球を振り抜き左前打を放ち、7連打を演出。塁上でレッグカバーを外し忘れ、近本が慌ててタイムをかけようとした。「よく見たら青柳さんの足にレッグがついてたんで。それだけヒット打って興奮してたんだなっていうのは思いましたね」とお立ち台でイジられると、「久々に塁に出たんで、忘れてました」と苦笑した。

矢野監督は「飛ばしてるなという感じに見えた。青柳のピッチングが流れを呼んでくれた。これからも引っ張っていってくれたら」と全幅の信頼を置く。目標の13勝は、高くないハードルだ。【磯綾乃】