巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(85)が22日、東京ドームを訪れ、無償トレードで巨人入りした中田を激励し、移籍後初本塁打に歓喜した。

激励はDeNA戦の試合前だった。原監督と一緒にあいさつに訪れた中田と左手で握手し、優しく語りかけた。「いろいろあるけど、応援したいから今日来たの。一生懸命やって、ジャイアンツが優勝できるように頑張って」。その言葉を聞いて中田も「ありがとうございます」と、頭を下げた。

さまざまな事情をのみ込み、巨人で受け入れたスラッガー。「中田翔は久しぶりの実戦になるけど、振りは悪くない。中田翔が試合勘を取り戻して、1本が出れば、チームは大爆発していくはず」と、エールとともに送り出すと、7回に1号2ランが飛びだした。

バックネット裏の部屋で見守っていたミスターは、左手で何度も目の前の窓をたたいて歓喜し、ダイヤモンドを一周してきた中田を祝福した。中田は「僕は長嶋さんがどこの部屋にいるか分からないので、ちょっと見ていなかった」と振り返りつつ、「本当にありがたいです」と感謝した。ミスターは「流れを変えるホームランでしたね。あの場面で完璧な1発を打てるのはさすが。真の強打者ですね。これを機に本来の力を出してくれるでしょう」と、野球人としての今後に期待した。