25年ぶりの優勝を目指した真夏の勢いは、どこへ消えたのか。オリックスの失速が止まらない。初回2死一、三塁、2回1死二、三塁と序盤の絶好機を逃して今季4度目の完封負け。連敗は今季ワーストタイの4に伸びた。ロッテが競り勝ったことで、オリックスの自力優勝の可能性が16日にも消滅する。

「勝つときもあれば負けるときもあるんで。それで別に一喜一憂するわけじゃないんで。もう1回、自分らの形というんですかね。思い出してやるしかないんで」

なんとしても、悪い流れを断ち切る。中嶋聡監督(52)の言葉にも、気概があふれた。

ただ、本来ならスパートをかけたかった9月の戦力低下は大誤算だ。吉田正尚外野手(28)、ランヘル・ラベロ内野手(29)、セサル・バルガス投手(29)ら頼みの戦力が故障。大黒柱の吉田正の離脱後、チーム成績は2勝6敗1分けと下降線をたどる。3勝8敗2分けの月間成績はリーグ最下位。苦心の打順編成も中軸が機能せず、安打が出ても得点につながらない。

「淡泊に見えるかもしれないですけど、初球から甘いのを振るのは普通のこと。それが結果にならなかったら、淡泊に見えるでしょうし。それをしっかりとらえて、結果につなげていくしかないんで。今まではそれが、できていたわけですから。それを何とかもう1回、続けられるように。それしかないですね」と指揮官は繰り返した。

楽天に2分けを挟む5連敗で、ついに1差に迫られた。沈みがちな空気を変えようと、ベンチで大下が味方を鼓舞する。うつむいたままでは終われない。空気は、勝って変えるしかない。【堀まどか】