広島3年目正随優弥外野手(25)が、値千金の逆転1号3ランを含む2安打4打点と奮闘し、連敗ストップに大きく貢献した。2試合連続で「3番左翼」で先発。3点を追う5回2死一、二塁からプロ初タイムリーとなる右前打。2点差の7回1死一、二塁で中日福の初球をたたき、左翼席へ逆転弾。将来の大砲候補が、負ければ自力CS消滅の可能性があった試合で、4連敗中だったチームを救うヒーローとなった。

    ◇    ◇    ◇

正随が一振りで暗雲を切り裂いた。2点を追う7回1死一、二塁で中日福の初球、内角低め139キロの初球を引っ張ると、ライナー性の打球で左翼席へ着弾する逆転3ラン。プロ2本目の1発に「昨日ふがいない結果だったので、なんとか取り返してやろうという気持ちで入りました。自分のスイングで捉えること出来て良かった」。チームの窮地を救う千金打で、連敗ストップに導いた。

中日笠原から、貴重な1点目をたたきだした。3点を追う5回2死一、二塁から内角直球をコンパクトなスイングで右前に運んだ。プロ初のタイムリーでチームに流れを引き寄せた。笠原は今季2軍で7打数3安打と打ち込み、しかも3安打すべてが本塁打だ。ただ「昨日からのやられ方が結構頭にあった」と、前日14日の中日戦では左腕の松葉、福相手に4打席凡退。この日も初回の1打席目は併殺打に倒れた。「先輩方に、配球、意識、気持ちの持ちようだとか、結構声をかけてもらった」。長野、松山、会沢、鈴木誠らから精神面などで助言をもらい「それが結構効いてます」と感謝した。

打撃の意識を大胆に変えた。春の1軍キャンプでは結果を残せず、開幕2軍スタート。「このままではダメだなと思って、ガラッと変えようと思いました」。自ら考え、これまで上半身でタイミングを取っていたものを、下半身で取るように変えたことで、徐々に結果が出始めたという。「あんまりバタバタしなくなった。そこは自分の中でプラス」。5月には新型コロナウイルスに感染し、離脱を余儀なくされたが、ファームでコンスタントに結果を残し続けていた。

若きホープの1発に佐々岡真司監督(54)は「期待しているわけであって、本当に大きな1発でした」とたたえた。チームの連敗は「4」でストップ。正随は「必死に1勝をもぎ取れるように頑張ります」と気合を入れた。ここから巻き返す。【古財稜明】

◆正随優弥(しょうずい・ゆうや)1996年(平8)4月2日生まれ、広島県出身。大阪桐蔭3年夏の甲子園に出場し優勝。亜大時代は東都リーグ通算9本塁打。18年ドラフト6位で広島入り。同期には1位に小園がいる。大阪桐蔭から広島入りした初の選手。180センチ、98キロ。右投げ右打ち。

▽広島玉村(4回3失点で後半戦初勝利はお預け)「打たれた球が全部高かった。しっかりと修正して次頑張ろうと思います」