矢野阪神が特攻の「遥人ローテ」で逆転Vを狙う。きょう5日のDeNA戦から3カード連続で敵地戦となる。最大のヤマ場となるヤクルト3連戦の8日初戦に、中5日の登板間隔で高橋遥人投手(25)を投入。状態次第では、その後の巨人、ヤクルト戦と3連続で中5日先発のスペシャル起用の可能性がある。2戦連続完封と絶好調の左腕がフル回転でライバル撃破に挑む。

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遅れてきた左腕に、決戦のオクトーバーを託す。この日、矢野阪神は3カード連続の関東遠征へ出発した。11泊12日のロードは逆転優勝の鍵を握る。最大のヤマ場は8日からのヤクルト3連戦だ。1ゲーム差で追う首位チームを引きずり下ろすチャンス。重要な初戦の先発に、中5日で高橋を投入する。矢野監督は「頭の中にはある」と先発の登板間隔を縮めることを示唆。「現状、調子がいいのは遥人とかになるけど、最終的な決定はコンディションを見て」と名前を挙げた。

高橋は2戦連続完封勝利で絶好調だが、次回の神宮のマウンドは期するものがある。9月に1軍昇格後、4戦3勝1敗、防御率1・55。唯一、土をつけられたのが9月9日のヤクルト戦(甲子園)だ。復帰初戦の初回に5点、2回に1点を奪われ、4回6失点(自責5)。「先頭をしっかりアウトにして、ランナーをためないということを心掛けて。前回の対戦を踏まえて、バッターに向かって攻めた投球をしていきたい」。そこから27イニング連続無失点なだけに、リベンジの思いは強い。

前回2日の中日戦は97球の完封劇で余力は十分。「試合をつくるということを第一に考えて、準備していきたいです」。今季初の中5日にも、自らの仕事に徹するスタイルは変わらない。ツバメ封じに成功すると、スペシャル起用が待っている。ヤクルト戦から、さらに中5日で14日巨人戦に回ることになる。さらにコンディション次第では、3連続中5日で、再び20日のヤクルト戦(甲子園)へ向かうことも可能。「まだまだ何もできていないので、ここから少しでもチームに貢献したいという気持ちだけです」。故障で出遅れただけに、チームのためにフル回転の覚悟だ。

シーズンも残り17試合。最大のライバルであるヤクルト戦は5試合ある。最短で6日にもマジック点灯の可能性があり、リーグ制覇は現状でヤクルトが優位だ。逆転優勝するためには、直接対決で撃破することが必須条件。特攻の「遥人ローテ」で激戦のセを差し切る。【中野椋】

▽福原投手コーチ(今後の戦いに)「先発は1イニング、打者1人ずつ全力で投げてほしいし、その中でしっかり後ろにつないでくれれば」