阪神はドラフト1位で高校BIG3の1人、高知・森木大智投手(18)を指名しました。日刊スポーツでは森木投手がプロ野球選手になるまでの軌跡を「森木がゆく」と題し、全10回連載でお届けします。第6回は、森木の食事、体作りについて。【取材・構成=中野椋】

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最速154キロを生み出す肉体にも、森木は満足していない。柔軟性やバランス、体幹を意識した高知中時代から一転、現在はウエートトレにも励む。テーマは「大谷翔平」。目を輝かせながら「体形的には大きくいえば、あれぐらいガッチリした体形で、なおかつ『強くて柔らかい』が目標です」と理想像を語る。

身長184センチで、現在の体重は90キロ。「プロに入るまでには93、94キロまでいったらベストですかね」と目標設定する。なかでもこだわるのは質の部分。「ぶくぶく太るというよりは筋肉で体重を増やしていきたいです」と妥協はしない。

筋肉量と並行し、こだわるのは体脂肪率。「自分は体脂肪率を落としすぎたら体調を崩しやすくて、夏場に疲れやすかったり風邪をひきやすい」と分析する。現在の10%から「まだ上げたい」と理想は13%。「筋肉量をせっかく増やしているのに、体脂肪率が低かったら筋肉から栄養が取られていってしまうので、そこですね」。筋肉と脂肪、バランスを取りながら増量を目指す。

森木はチーム随一の大食漢。体重アップへ食べることに不安はない。チームメートと牛丼店に行った際には、大盛りのさらに上「メガサイズ」の2杯分で2000キロカロリーを超える「キングサイズ」をペロリ。食べ盛りの高校生といえど断念する仲間もいた中、たいらげていたという。

そんな森木の体作りの一助となってきたのが、大好物の「地元の味」。土佐市内にあるラーメン店「とん吉」には幼少期から通い、ドラフト2日前の10月9日も胃袋を満たした勝負メシ。なかでもみそラーメンがお気に入りで、チャーハンとのセットを注文することが多い。みそはニンニクのパンチが利き、ネギとメンマともやしが絶妙にからんで、さすがのドラ1右腕をノックアウトした一品だ。

3歳から森木を知る店主の梅木秀子さん(67)は「ニコニコして突っ張ったところもないし、普通の高校生の男の子。野球をしている時の顔とはまた違いますね。ケガなく頑張ってほしい」とエールを送った。よく食べよく練習し、森木がさらなるスケールアップを図っている。(つづく)