ロッテ佐々木朗希投手(20)がCS開幕投手の重圧をものともせず、楽天打線を6回10奪三振1失点。堂々と投げ抜いた。

「いつもと一緒か、それよりちょっとくらい緊張したんですけど」

そう言いながらも、初回の1番山崎剛から156キロ、157キロ、158キロを次々と放り込む。2番岡島にプロ実戦で自己最速の159キロを投じると、3番浅村には159キロを2球続けて見逃し三振にした。

球が速いのは今やもう、野球ファンなら誰でも知っている。20歳初登板とは思えない落ち着きで、試合を支配した。

「シーズン後半、最後の2試合とかは特に大事な試合で投げさせてもらってたので、そこで大分、そういったところに対しての対応は良くなったのかなと思います」

投げるたびに何かを身につけ、どんどん強くなる。2回、自身の一塁悪送球で先制された。「抜けちゃったんで。練習します」。しかし3回以降、敵に付けいられることなく、6回を投げ抜いた。「(悪送球を)引きずってました、ずっと」という内面を、外には見せないほどの投球だった。

初回の剛速球連発も「いつもと同じ感覚で」とさらっと振り返る。球威は落ちず、中盤も153キロ前後でしっかり振り遅れのファウルを打たせていく。63球を投じた直球の平均球速は、過去最高値の約155・2キロ。「今日はけっこうコントロール悪かったので」と言いながらも、ストライク率は69・8%。20歳の末恐ろしさを示した。

救援陣が1度逆転を許して勝利投手にはなれなかったものの、同期入団の佐藤都志也捕手(23)のサヨナラ勝利でチームは勝った。「良かったです。初戦が大事だと思うので、そこでしっかりチームが勝ったので。うれしかったです」。次の登板を信じ、あとは先輩たちに託す。【金子真仁】