体調不良で離脱していた中日平田良介外野手(33)が1日、来季巻き返しへ本格始動した。ナゴヤ球場室内でマシン相手に約1カ月ぶりの打撃練習。バットは打率3割2分9厘の好成績を残した18年に使っていたオレンジのアオダモ製。19年から入手困難になって手放したが、メーカーが入手してくれた希少品だ。愛棒とともに自身の体調も戻り、「すごくいい感じで振れている。楽しいです」と手応えを明かした。

今季は開幕から不振で4月下旬に2軍落ち。下肢コンディション不良に加え、夏場には「異型狭心症」と「ぜんそく」を発症。出場21試合で打率1割5分5厘、11年ぶりの0本塁打に終わった。11月下旬の契約交渉では、減額制限(1億円超は40%)を超える1億5000万円減の年俸3000万円で更改。「来年は全てをぶつける。ダメな時は引き際だと思う」と背水の覚悟を明かした。

目指すは来年2月キャンプインを万全で迎えること。通い続ける週6回のジムと並行し、ナゴヤ球場や1月の自主トレで打撃練習などの強度を上げていく。立浪新監督は来季、平田の定位置だった右翼をはじめ、左翼や二塁をベテランと若手の守備位置争いに解放。右翼は、来季から外野に専念する大阪桐蔭の後輩根尾らがライバルになる。「(右翼は)前にやっていたけど、時間は過ぎている。スタメンを目指してやっていく」。17年目のシーズンへ、ベテランがゼロからの大逆襲を期す。【伊東大介】

◆異型狭心症 心臓の血管が極度に縮むことから生じる病気。胸が圧迫されたり、締め付けられるなどの症状があり、夜間から朝方に多く、安静時に起きやすいなどの特徴がある。心身の疲労やストレス、喫煙、過度の飲酒などが原因とされる。